外壁塗装を依頼された場合でも、塗装では改修出来ない状態、さらに塗装で対応してはダメな部位がございます。オーナー様の中には外壁塗装だからと塗装屋さんに工事を依頼され、すべてを塗装してしまい、2次的な改修工事を弊社にご依頼いいただくケースが時々ございます。重複する無駄な費用を省くため改修方法は充分に吟味される事をお勧めいたします。
下画像に写っている範囲の改修工事は塗装工事だけでなく、鉄骨手摺の部分的やりかえ、爆裂部のハツリ除去+鉄筋補修+左官工事、防水工事、塗装工事、電気工事です。それでは費用が多くかかるのでは?と思われがちですが、実はその逆で、これらをすべて塗装工事で済ませた場合、時間を置かずに第二弾の改修工事が必須になります。
改修工事はその改修方法で費用の節約と仕上がり具合に大きな差が出ます。
下画像は上画像の階段手摺のアップ画像です。
この状態までサビが進行するとサビ落とし(ケレン)をすることでメッシュがグンと細くなり危険な状態になるか、折れてしまう場合もあります。
また下枠もケレンに持ちこたえられたとしても塗装で改修した場合、時間を置かずに綺麗に仕上げた壁面に錆び汁が垂れて汚します。
左記のような無駄な2次改修をなくすために、下画像のように残せる鉄骨部は極力残し、やり替えるべきは新調した方が今後のメンテナンス費用がグンとお安くなります。
外壁塗装を検討された場合でも、すべてを塗装で対応する事でかえって費用がかさむ場合がありますので、改修方法はとても重要になります。
鉄骨部改修及びRC壁面補修+塗装
爆裂・鉄筋露出部の修繕(コンクリ内へ浸水し鉄筋がサビて膨張しコンクリートを破断)
周囲のコンクリートの脆弱部をすべてハンマーや電動斫り機で取り除きます。
実際はこの画像の2~3倍のエリアが脆弱で、綺麗に取り除くと、サビで膨らんだ鉄筋がたくさん露出しました。
脆弱部をすべてハツリ除去した後、鉄筋を補強し、さび止めを塗布した後に樹脂モルタルで鉄筋を被せます。その後下地を平滑にし、塗装の3工程を通して仕上げます。
修繕エリアは周囲の肌感と多少変わりますが
綺麗に仕上がりました。
(肌感の違いは画像で分からないレベルです)
鉄骨5階建てALCマンション外壁改修工事
(画像の壁面に接する室内に雨漏れがあり)
ひび割れ部シーリング+防水シート+ガルバリウム軽量壁材による3重防水の壁面カバー工法
(上画像の拡大)隣家との隙間がなく再施工が困難であることから、将来の再改修工事を極力省くためのカバー工法。
とても綺麗に仕上がりました。
オーナー様の長年のお悩みが解決でき大変ご満足されました。
下画像は足場を建てて、はじめて目の前で見たALCの劣化状態。
この状態を指先で触るとこうなりました➡➡
コンクリートの板であるにも関わらず下画像の様に指先で簡単に穴が掘れました。
隣家との隙間が無く足場が建てられないために
塗り替えが出来ず、長年空気中のCO²に触れ、同時に雨に晒され続けた結果、ALCの炭酸化が
進行し脆くなった状態です。
ALCは軽量気泡コンクリートと呼ばれ、断熱性や耐火性に優れ鉄骨建物の外壁等によく使用されますが、ALCの製造メーカーも言うようにALCはスポンジのようなもので防水性能がありません。また、水だけでなく空気中のCO²に反応して内部の結晶が崩れ非常にもろくなります。
つまりALCは定期的に塗り替えを行い雨やCO²から守ってあげないと、内部に浸水した雨水が冬季に凍結膨張しヒビを発生させたり、内部鉄筋が錆びて強度が著しく低下したり、また上画像の様にALCの炭酸化で結晶が崩れボロボロと砂の様に劣化します。
このようにALCの寿命は、定期的な塗り替えに
深く依存しています。
画像のレベルまで劣化が進行すると、もはや塗装工事だけでは改修工事が出来なくなります。このマンションでは、隣家との隙間もなく次の改修工事も立地上困難と判断し、ひび割れや目地のシーリング等下地を充分に補修したうえで、次回のメンテナンスを大きく先延ばしできるガルバリウム鋼板によるカバー工法で対応いたしました。
下画像のヒビはALCの目地部分のシーリングの割れです。シーリングのメーカーは打替えもしくは増し打ちの時期を約10年、ALCメーカーは塗り替え時期を10~15年ごととそれぞれ推奨しています。
改修工事の際は、目地シーリングとALC塗装を同時に行うのが一般的です。
廊下全面改修工事
・入居決定率の向上(他物件との差別化)
・現居住者様の満足度向上(退去率の低下)
・建物の資産価値の向上(将来の転売益)
・建物寿命の延長と防災・安全性の向上
・節税効果(修繕費用は一括で経費計上可※一部の工事種を除く)
・美観復元など他にも多くのメリットがあります。
外装工事と同時に破損している自火報総合盤も新品に交換させていただきました。